家族のこと

便りがないのは

 『便りがないのは良い便り』という。
 家族の中には持病持ちもいるけど、とにかく、まぁ、変わりなく平和っていうことなのだ。母や弟達から取り立てて連絡がない、ということは。
 もちろん用事があればするよ。
 昨日の午後、末弟C君の携帯に電話した。
 3人の弟のまんなかのB君が中国人の彼女と結婚してから数ヶ月、年末に中国で挙式するって言ってたのはどうなったんだろ?
 兼業マジシャンのC君が
 『式には必ず来いと言われた。どうせなんかやれ、ってことだろ。やれやれ』
と話していたので、B君の挙式とC君の渡航予定を訊ねようと電話をかけてみた。(一緒に航空券を手配してもらえたら楽だな〜なんて(^^;)
 C君は電話に出なかった。
 仕事中だったかな? …なんて思って、切った。C君は大学院生でマジシャンだが、本職は臨床心理士なのだ。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 そのあと、夕方からちょっとしんどくなった。
 ぼーっとかーっとしたので体温計をくわえたら、どうやら少し熱があるらしい…。
 夕飯の仕込みもできていることだし、と、おでこに熱冷まシートを貼ってふとんに入った。
 夢をいくつも見た。携帯が鳴っていたのに気づいたけれど、これも夢なんだか本当に鳴っているのか分かんないや…

 表で音がした。あぁ、tetsuさんが帰って来たな…と思った。足音で分かる。
 夕ごはん、夕ごはん…重い頭を何とかあげて、起き上がった。
 バタン!
 「ただいま! 大丈夫!?」
 「…?」
 なんだかいつもとは違う剣幕?
 「おかえり…ちょっと熱があるみたいで…、ごめん、すぐに夕ごはん用意するから」
 駆け寄ってきた夫は、 
 「あぁ! 大丈夫!? さっき、C君が電話くれたんだよ!」
 と言った。
 あれ…? 夢うつつで聞いたあの着信って…C君かぁ…。
 「お姉さんから電話があったのにかけ直しても出ないって。さっき、僕のところに電話があった」
 心配されていたのだ。
 末弟にも、夫にも。

 とても申し訳ない心地がした。電話に出ないくらいで。
 夜だから料理してるかお風呂に入っているかだろう…では、済まなかったんだな。わたしだから。
 心配させてしまった…

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秒速ノックダウン

 Y:「あっ!」
 T:「でたーーーーっ!!」

 夕食後のまったりタイム、白い天井にその黒いヤツがカサカサ…
 T:「わ! で、でかいっshock
 Tetsuさんとわたしは、さっと行動を起こした。

 Y:「えいーっ!」
 ゴキジェット、噴射!
 シューッ!
 Y:「逃がすか!」
 シューッッ!!
 やった! 2発ともヒット!
 動きが鈍くなってきたぞ…もう落ちる!
 ふぅっ、ふーっgawksweat01
 
 あ、あれ?
 アドレナリン全開の戦いのさなか、気づくとtetsuさんがいない???


 「ちょっとー! ひとりだけ逃げるなんて、ズルイーーーっっpoutsweat01

 なんと!
 tetsuさんはさっさと廊下へ避難していた。しかもドアまできっちり閉めて!
 彼は、相手が人間なら戦ってくれるけど、人間以外との戦いではいつもさっと姿を消してしまう…bearing

 ちなみに、テキとの遭遇はこの社宅に来て3度目。2勝1敗で現在のところは勝ち越し中。
 1勝目は、丸めた新聞での乱闘の末、辛くもわたしの勝ち。
 今回は化学兵器の威力で圧勝となった。
 すごいぞ、ゴキジェット!
 

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『ねこ写真』

 …というタイトルのメールが届いていた。

 差出人は、夫のtetsuさん。

 本文は、

 『ネコ系です
   http://fotopus.com/neko/』

…と、だけ。

 
 一昨日の夜、帰ってきた夫のtetsuさんに、仔猫のことを話した。
 うん、うん、と相づちを打ちながら聞いてくれた。
 そして、その後は何も言わなかった。

 夕べのわたしは泣きながら、睡眠がつらいという現状をtetsuさんに話した。
 

 このメールは…

 かわいいねこの写真を見て、元気出してね〜

 ってことなんだろうな。きっと。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 見た。
 かわいくて、あの仔猫のことを思い出して、涙が止まらなかった。

 でも最後には、つい笑っちゃって、ちょっと元気が出た。かも。

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眠っているのに、眠れない

 今日も、やっぱり体調がすぐれなかった。
 午前中は比較的良くて、郵便局に自転車で行って、さわやかな秋の風を楽しんできたんだけど…

 夕方、眠くなってふとんの上に倒れ込んだ。
 夫のtetsuさんが帰って来た。起きられなかった。
 呼び鈴が鳴ったのが聞こえた。わたし宛の小包が届いた、と思った。夜間指定の通販の荷物だから、もう8時は過ぎているだろう、と考えた。わたしは起きられなくて、パソコンの前にいたであろうtetsuさんが玄関に出てくれた。

 そのあと、tetsuさんがわたしを起こしにきている…と思った。
 夕ごはんの支度をしなくちゃ…と思った。
 手を動かそうとした。
 目を開けようとした。
 はっ、と、そこにtetsuさんはいないことが分かった。蛍光灯の小さい赤い光の中に白いかばんが見えたような気がした。あれをtetsuさんの白いシャツだと思ったのだった。
 なんだ…。

 またすぐに、tetsuさんのGパンがこすれる音と気配を感じて、起きようとした。
 声を出してtetsuさんを呼ぼうとした。
 手を出して引っ張ってもらおうと思った。
 体が重かった。
 また、そこにtetsuさんがいないことが分かった。
 夢か…

 そんなことを何度も何度も繰り返した。
 起きなくちゃ。
 …いない。
 起きなくちゃ。
 …いない。夢?
 起きなくちゃ。
 …また、また夢?
 ようやく何とか起き上がった。何時だろう…?

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 壁に手をつきながら、洋間に向かった。
 tetsuさんはパソコンの前にいた。
 「わたしのこと、何度も起こしにきた?」
 「ううん、帰って来た時と宅配便が届いた時に声をかけただけだよ」
 突然涙がぽろぽろと出てきた。
 「つらい…。眠ってるのに、眠れてない。何度も何度も夢を見て、起きなくちゃ、って、もがいて苦しくて、つらいよ」
 tetsuさんは手を伸ばして抱きしめてくれた。

 夜ふとんに入って自然に眠りに落ち、翌朝すっきりと目覚める…なんてことは、もうどのくらいか、経験がない。当たり前だったけど、あれは幸せなことだったんだ。
 早く元気になりたい!

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新メニューは彼のために

 昨日の新メニュー、ふんわり卵とキャベツのスープスパゲッティ
 キッチンに立つ前は、フツーにナポリタンを作るつもりだった。

 彼は、お昼ごはんを食べたら「10月の自転車イベントの練習のために、走りにいきたい」と言った。
 週始めのスーパーの特売に合わせて買い出しをするので、土曜日のわが家の冷蔵庫はすかすか。空っぽとは言わないまでも、保存のきく野菜しか入っていない。
 ナポリタンならレトルトのルーがあったな…それにベーコンとピーマンとタマネギと、あ、なすもあった…を炒めて合わせれば、いいかな…なんて考えていたのだけれど、ふと、考え直した。
 「自転車で走りにいく直前のお昼ごはんに、ナポリタン…って?」
 どうよ?
 「胃もたれしない?」
 …しそう。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 それで、即席で考えた。
 香味のにんにくと酸味のトマトと苦みのピーマンとなすのナポリタンは、パス!
 卵とキャベツとタマネギの、コンソメスープスパゲッティにしよう…それなら食べてすぐに自転車に乗っても、
 「うぇっぷ」
と気持ち悪くならないかな、…って。

 そう考えて作ったふんわり卵とキャベツのスープスパゲッティは、火を通すと甘くおなかにやさしく、パスタの炭水化物が消化によかったんじゃないかな、と思う…

 つくづく、料理って、食べてもらいたい誰かのために作られるものだねぇ。

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防げた(かも知れない)

 「あっ!!!」

 昨日、キッチンで朝ごはんの片付けをしていたら、洋間から夫の叫び声が聞こえた。

 「どうしたの?」
 「ノートンが、自動更新されちゃった…」
 夫のtetsuさんが長らくメインPCとして使ってきたWindowsの、セキュリティソフトの1年間の契約が切れたらしい。
 切れただけじゃなく、また1年間の契約をする更新手続きが、自動的にされちゃったらしい…。
 「でも? Winはネットから外したんじゃなかったの?」
 tetsuさんのマシンのOSは、今どき珍しい『Windows2000』。
 Vistaが普及したこの時代では、もはやXPすら時代遅れ。2000なんて、大昔の代物なのである。それでも大事に使っていた、8年ものだか10年ものだかのデスクトップだった。
 …さすがにパフォーマンスが落ち、ネットもあまりに遅いので、引っ越しを機にLANケーブルを外し、わたしが使っているMacにアカウントを増設して、この頃はめったに旧Winを立ち上げなくなった。

 「うん…ネットからは外したんだけど…」
 tetsuさんは口ごもった。
 「自動更新の設定は、変えてなかった」
 「前触れはなかったの? すぐに取り消して返金してもらうように、手続きできないの? メーカーに問い合わせてみたら?」
 「…ムリだと思う…。見落としてた。2週間くらい前に『セキュリティ年間契約の自動更新の通知』…っていうメールがMacの僕のアカウントに来てたの…」
 …ありゃぁぁぁ…coldsweats02
 見なくちゃ!
 迷惑メールフィルタが発達したとはいえ、間違って迷惑メール扱いされる必要なメールがないとも限らないんだから。
 ダイレクトメールも変なメールも多いだろうけど、でも、わたしだって、迷惑メールフォルダにいちおう目を通してるよ…
 …と言いかけて、やめた。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 昨日はそのあと、ずっと元気そうではなかった。
 ちょうどこの間携帯が故障して修理に出した時、モバイルスイカの残額だか移行だかの手続きでムダな手数料がかかってしまったので悔しそうだったの。
 重なったちゃったんだな…

 十分がっかりして、そして、十分反省してる。
 わたしが何も言わずにいたら、tetsuさんはぼそっとつぶやいた。
 「でも、6,000円は大き過ぎるよね…」
 え?
 「6,000円!? 年間で!?」
 わたしのセキュリティ契約は年間4,000円くらいだったよ。それ、6,000円もするの!?
 「ネットつないでないのに、高いよね…」
 ぼそぼそ…っ。 

 ・・・!!

 いや、言うまい。
 責めるまい。
 本人が一番気にしてる。
 普段だったら、昼時に外にいたらお昼ごはんはどこかで食べていこうか、なんて話になるのに、くるくると鳴るおなかを持参のお茶でだましだまし、家に帰ったから。

 (でも、おかげで(?) 即席にしては今後お気に入りメニューになりそうな、ふんわり卵とキャベツのスープスパゲッティができたhappy02restaurant

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『家』を考え始めた。

 この頃気になるのは、『家』の本。
 4年間のトーキョー生活を経て再び群馬に引っ越してきたわたしにとって、人生で重要だと位置づけている3つのものの、ふたつ目と3つ目が、身近なもの…として感じられるようになったのだ。
 順番からすると『3つ目』なんだけど、そろそろ頭の隅から中央の方へ持ってきてちゃんと考え始めた方がいいと思うの。
 賃貸や社宅暮らしから、『暮らしたい家を創ること』へ。
 これからずっと群馬に住むことになるみたい。
 気楽で家賃の安い社宅も、もちろん悪くないけど。
 やっぱり『暮らしたい場所』を求める気持ちがある。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 そんな気持ちになったので、新聞の折り込み広告の『土地』『中古住宅』なんかに目が止まる。

 わたしたちはどんなところに住みたいんだろう?

 そう考えたら『土地』が気になり始めた。
 この辺りは、街中でも全然便利じゃない。
 駅に近くたって、あんまりメリットがない。
 買い物に行くならどうしてもクルマが必要なお土地柄なのだ。
 だったら、思い切って山奥でも…いい。

 わたしたちは、どんな家に暮らしたいんだろう?
 そう考えたら『中古住宅』が気になり始めた。
 『山奥の不便な場所だからお安い』っていう中古住宅でも、手を加えて長く暮らせるなら願ったりかも?
 農家の古屋と畑が格安の値段で売りに出ているのを見たことがあるけど、ちょっと夫のtetsuさんが会社に通うのに遠すぎた…残念。
 古民家の移築…というのも、興味あるなぁ!

 あ、建て売りはやっぱりパスかな…

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合成操作

 試してみるから、と言った以上は、やらなくちゃ…
 頭の片隅にいつも残っていながらも、もう10日経ってしまった。

 『霧の日の参拝登山の写真を青空にして欲しい』

 やったことはないけど、この写真の真っ白な空を青空に見せる操作は、そう難しくないと考えた。
 技術的に「ああして、こうして…」って手順が頭に思い浮かんだから、『試してみるね』と、写真データを持ち帰ったわけで。

 ただ、気持ちが…どうも気が進まなかった。
 お参りのための行事の写真を、あとから気分で脚色していいのかなぁ?
 そりゃ、大願成就の記念だけど。
 ベストコンディションが望ましい気持ちは分かるけど。
 当日が霧の濃い曇りだったんだったら、写真の空が真っ白でもそれはそういう日にも頑張って登った、でいいんじゃないのかなぁ…?

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 悩みながら、もう10日。
 とにかく、やってみなくちゃ…
 やったことはないけれど、頭の中で手順は計画できた。
 一旦は預からせてもらった。試してもみないで放っておくのは気がとがめる。できなかったなら、できなかったと伝えなくちゃ。できたなら写真をメールで送らなくちゃ。

 引っかかるのはひとつだけ。
 記念写真が『合成写真』でいいのかな…?

 ようやく今日、Photoshopで写真を開き、レイヤーを足したり、前に自分が撮ったものの中から色の合いそうなきれいな空と雲が写っている写真を選んで重ねたりして、あの真っ白だった濃い霧の日の写真を、空色にした。
 プリントしたところ、違和感はない。よしとしよう。
 メールで義父母のもとに送った。

 これで本当に、いいのかな…だって、合成写真じゃない? 本当は、この日はこんなふうじゃなかったはずでしょ?

 プリントした青空の写真は、確かに、もとの真っ白な写真よりもいい感じになった。
 これで喜んでくれるなら…。

 でも、どうも心が残った。

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合成写真

 八月末に夫の実家に帰った時のこと。
 「ちょっと、あんたに頼みがあるんだけどぉ…」
と、義母が出したのは、1枚の写真。
 義父母が通っている教団が行なっている、参拝登山の頂上での記念写真だった。義父がデジカメを持参して撮ったらしい。
 「なに?」
 白装束をまとった人々が、お社と仏像の前にずらっと並んでいる。山岳信仰というのか、霊山を本尊とするのか、その信仰や御教えは詳しく知らないけど…
 「これ、先生の登拝70回の記念なんだわ。すごいことなんだわね、もう先生は80歳近いのに、お山に参拝に登るっていうことは!」
 「うんうん」
 確かにすごいことだ。
 日本百名山のひとつで、3,000m級の山だ。
 
 …で?
 「この写真が、なに?」

 「空がね…」

 空?
 
 「この日は霧が濃くてぇ。この写真を見た先生が、空が見えなくて寂しいっておっしゃるんだわね」
 
 人々の背景を見た。
 空は見えない。霧で真っ白。
 そりゃ仕方ないでしょ、こんなに霧が出て天気の悪い日の写真なんだし…と言いかけて飲み込んだ。

 まさか?

 「なんとかならん?」
 「…なんとかって…」
 「空の色、出せんかなぁ?」
 ちょっとぉぉsweat01

 「それって、合成だよ? 記念写真なのに、ウソになっちゃうよ? それでもいいの?」
 「だって何回も登っとるけど、ほら、きれいに青空が出とる日が多いんだわ」
と、義母は前回や昨年の写真を出してきて、広げた。
 「それで、せっかくの70回記念なのに、真っ白なのは寂しい、いつも晴れとるのに、とおっしゃるんだわね」
 「……」

 義父母のパソコンもiMacだけど、ここにはPhotoshopなどははいっていない。
 「うちに帰ってから、写真用のソフトでちょっと試してみるわ。待ってくれる?」
 わたしは、義父のメールを使わせてもらい、写真を添付して自分のアドレスに送った。
 「ごめんねぇ、でもせっかくの記念だからいいふうにしてあげたくてぇ…」
 
 いいのかなぁ。
 『写真』、なのに。『写嘘』になっちゃうんじゃないかなぁ。
 ちょっと気が進まなかった。

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棚卸し弁当

 群馬に引っ越してきて、トーキョー生活よりも朝が早くなった。
 早寝早起きに切り替えねば!
 …と感じつつ、つい夫のtetsuさんが明かりを灯している部屋で雑誌などめくってたりして、思うように生活リズムが切り替えられない…。もう1ヵ月半経つのにね。

 大きく変わったと思うのは、午前中が長いこと。
 tetsuさんが朝9時出勤だったのが8時出勤になった。トーキョーでは朝ごはんの準備をするのに朝7時過ぎに起きていたのが、今は朝6時過ぎに起き、だいたい6時40分頃には『いただきます』fishbreadsmile 送り出してお茶碗を片付けて洗濯物を干し終わっても、まだ8時過ぎ!
 「ふぅ。まだ、早朝だよ…」
 ベランダで山と墓地を眺めながら、思わずあくびをしてしまう。
 ふぁぁ〜〜。
 まだ眠いニャcat
 おふとん干す前に、もーちょっと…heart04
 
 おっと、脱線sweat01

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 工場には『棚卸し』という作業がある(らしい)。
 あまり詳しくはきいていないけれど、tetsuさんの会社は明日が棚卸しのための作業の日らしい。

 t:「あしたは、早く出るね」
 y:「じゃ、おうちで朝ごはん食べてる暇ない?」
 t:「うーん、難しいかもね。あさ6時半前に会社に行かなくちゃいけないから」
 6時半!
 うーん、それはかなり早い!
 朝、さっと食べられるもの。
 場合によっては、会社に行ってから時間の合間に食べられるもの…
 (なにしろお昼まで長いからね)

 そんなわけで、お弁当を作ってみた。

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 おむずび弁当!

 野沢菜を刻んだのとごまを混ぜたごはんをむすび、1つは梅干し、1つは明太子をのせてのりを巻いた。
 もう一つは焼きむすび。
 去年の春くらいから寝かせてあったふきみそを塗って焼いた。
 おかずは出し巻卵と、オクラのエゴマ味噌和え。

 何年か前に木曽で買った漆の曲げわっぱにおむすびを詰めて、卵とオクラを隙間に詰めて。

 ふだんお弁当を作らないから、なんだか楽しいな!
 作っているうちに調子に乗って、自分の分までお弁当を作ってしまいました。今日は台風で雨だけど、明日晴れたらどこかに持っていこうかな…

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弟、結婚。

 夜、携帯が鳴った。
 『通知不可能』
と画面に出ていた。
 「もしもし?」

 『お姉さん? 僕、僕。』
 聞き覚えのある声だ。

 y:「ボクボク詐欺ってのは聞いたことないね〜(^^)」
 B:『国際電話だよ。元気? 群馬の片田舎に引っ越したんだって?』
 y:「トーキョーより好きよ」
 B:『だろうね。トーキョー生活、疲れたでしょ』

 3人いる弟の真ん中、かなり個性の強いB君だった。
 2年くらい韓国に留学している。

 y:「で、なに?」
 B:『来週結婚する』
 y:「はっ?」
 B:『結婚。来週中国で届ける』

 えーーーっ!!

 y:「結婚!? 来週!? いきなりなによ、もっと早く言ってよ、飛行機取らなくちゃ!!」

 中国? 最寄りの空港はどこ?
 結婚式はいつ? 行くわよ、弟の結婚式だもの!!
 いやいやいや、あんた韓国に住んでたんじゃなかったの?
 かねてから韓国に留学中の弟から中国人の彼女がいるということは聞いていた。
 まだ韓国に行ってないのよ。そりゃ中国も行きたいけど、中国で結婚しちゃったら、韓国に行っても楽しみが半減するじゃないのよっっ!

 B:『え? お姉さん、来るの?』
 Y:「行くわよ、当たり前でしょっ!? 中国で結婚式なんて、そんなおもしろそうなもん行かないわけないでしょ!」
 B:『結婚式はまだなんだけど』
 y:「はぁ!?」
 B:『申請は来週する。式は年末くらいに考えてる』

 あ、そ…。

 y:「じゃ、決まったら早めに教えてよね」
 B:『ホントに来るの?』
 y:「ぜっっったい、行くからね!」

 B君は海の向こうで笑った。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 電話が切れた後、夫のtetsuさんに話した。
 y:「そういうことだから、年末に結婚式が決まったら、中国に行こう!」
 t:「…」
 tetsuさんはまだ日本から出たことがない。飛行機も、見るのは好きだけど乗るのはあまり好きではないらしい。
 y:「それに、B君が韓国にいる間に、韓国にも行こうよ!」
 t:「いいけど。…それより、B君の彼女って、どんなひと?」
 y:「…え…?」

 そうだ。
 名前はペイちゃん。
 確か末弟のC君より年下。クリスチャン。末弟のC君はマジシャンで、韓国のコンテストに出場したときにB君の彼女に会っている。
 C:『名前は平凡の平で、ペイ』
 y:『失礼な言い方しなさんな。君の兄の彼女でしょ。平和の平でペイさん、とお言い』
 C:『はいはい、たいらか、の、ペイさん』
 
 名前は聞いた。
 が。

 わたしは会ったことはない…。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 平和の平で、ペイちゃん。
 決してモテなくはない社交的な弟が、とうとう結婚すると決めた女性。
 『すぐに会わせてとは言わないけど、写真くらい送ってよね』
と言っておいたのだけど…未だ届かず。

 どんな女の子なのかは知らないけど、まぁ、いいんじゃない?
 律儀にも婚姻届を出す前にわざわざ電話してきた弟の元気な声が、嬉しかった。

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一転、生活リズム。

 トーキョーからグンマに引っ越して、早1ヵ月。
 ほぼ部屋も片付いて、引っ越し前にヤッテシマッタ肋骨の骨折もまったく痛みがなくなった。
 田んぼの中の、ななめやカーブの多い道に迷ってはいるけど…
 まぁ、落ち着いた。かな。

 そして、生活リズムも元通り…と思いきや。
 
 
 
 全く変わってしまったのだ。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 まず、夫のtetsuさんの勤務時間が変わった。
 トーキョーでは『9時〜6時+23時まで残業』だったので、朝8時ちょっと前に家を出て夜0時近くに帰宅していた。そのあと夕ごはんを食べてお風呂に入って就寝。
 わたしは朝7時に起きて朝食の支度をし、午前中に家事と買い物、午後は割とのんびりして、夕方ちょっと睡眠補給して、夜9時頃から夕飯の支度をする…という毎日だった。

 それが、がらっと変わった。
 tetsuさんの勤務時間は『8時〜5時、残業はほとんどなし』となり、朝7時20分頃家を出て夕方7時頃には家に帰っているのだ。
 それに合わせて、わたしも朝6時過ぎに起きて朝食の支度をし、そのために夜は11時過ぎには寝なくちゃ…になったのである。
 そんなに早く、寝れないー!
 タダでさえ睡眠薬を使っている身。それにしたって服んでもすぐに眠れるわけではないし、時間とタイミングがズレたら服んでも眠れない上に翌朝までだるーい眠気が残ることもある。
 うぅぅ、…健康な眠りが欲しい!

 夕ごはんも早くなった。
 おなかを空かせた夫が自転車通勤で夕方7時には帰って来る。
 前のように、午前中から昼過ぎにかけて家事と買い物とアルバイトして、午後はのんびりして昼寝もして暗くなってから夕ごはんの仕込み…なんて悠長なことをしている場合ではないのである。
 この頃は、午前中に買い物をしたら、休む暇はない。すぐに買ってきた野菜やお肉やお魚をまな板に乗せて夕ごはんの準備をしなくちゃ!
 ちなみに今日の夕飯は、冷や麦の予定。まずだしを取って、みりんとしょうゆと砂糖とそのだしでつゆを作り、冷蔵庫にいれた。冷や麦には蒸し鶏とオクラを添えよう。それにタマネギと豚肉の餃子を焼こう、自家製みそ風味の餃子。真っ昼間に、夕飯のために餃子を包んだ。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 
 トーキョーにいた頃には考えられなかった。
 8時に!? 夕ごはんが8時!!

 夜8時に夕ごはんを食べられる、っていうのは、健康なんだよね。
 それなのに、早起き早寝に感謝したいけど、まだそのリズムについて行けないわたし…
 
 えい!
 がんばれ、わたし!
 ぶるぶるっとアタマを振る。
 

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一足先に、帰って来ました

 8月8日から始まった、わが家の『お盆休み』
 思い返してみるとけっこう盛りだくさんなのですが、とりあえず、忘れないうちに総括を。

 8/8(土):朝寝坊してのんびり支度をし、名古屋の実家へと発進!
 うちからICまで5分(でも初めて通る道で、田んぼの中でうろうろ迷った)なので、ETC割引を活用して高速にのった。
 「今さらだけど、なんで高速が1,000円で通れるの?! 儲けがないのに、もし高速が壊れたらどうするの?」
 「1,000円超える分は国が負担」
 「税金で? けっきょくこっちに跳ね返ってくるわけ?」
 「そう」
 「ありがたいんだか、ありがたくないんだか…」
 「ねえ。」
 「…ありがたくないよね。最終的に」
 「…ん、ね…」
 もうすぐ選挙だな…なんて思いながら、答えのない会話。
 普通は8,000円以上かかる高速料金が『1,000円で!』名古屋に帰れたのは…やっぱり、ありがたいんだけどありがたくないのかも。
 
 8/9(日):名古屋の実家が新築したので、新居(!)に泊まった。どこもかしこも、ピカピカ! すごい! きれい! 広い!
 お風呂もピカピカで広い! まさに一番風呂に入ることになり、恐縮しながら、初めてお湯を張った湯船に体操座りで浸かる…
 話が前後するけど、この日は一日、母の手伝い。目隠しと日除けのために、よしずを張り巡らせた。1間×6尺とか8尺のでっかい長いのを、7枚だか8枚だか、外周フェンスにくくり付けた。けっこう重労働…ふぃ〜。
 夜、弟達に「なにかおもしろいモノ、ある?」と訊いたら、出て来たでてきた!
 『ハガレン』にはまる…23巻まで、2日で読めるか?!

 8/10(月):お墓参りして、岐阜のtetsuさんの実家へ。
 どうも整理しきれない気持ち。お墓とか。遺影とか。
 そうそう、母に『新築のお祝い、何がいい?』と訊ねたら、『仏壇の前の机をちゃんとしたのにしたい』と言われた。
 経机、と言うものだそうだ。
 うちの仏壇の前にあったのは、なんだか黒い木目調プラスチックのヤツだった。わたしの記憶では、高校3年生の…15年くらい前に…仏壇屋さんが置いていった折りたたみ式のもので…安っぽいと気にされながらも、結局ずっとそのまま使われていたものだった。
 知人が勤める仏具屋に行って、宗派に合う、恥ずかしくない経机を、買って置いた。
 「うんうん、これで、ちゃんと立派」
 母がうなずいた。
 その横にあるのが父の遺影じゃなかったらもっと良かったのに…と、心の中で。声に出してはいけない言葉を唇に噛んだ。だって、言えない。言っても仕方ない。

 8/11(火):『ゴーヤチャンプルー』を作った。
 嫁入り先の実家で料理をする、ということは、勇気が要ることだと思った。
 夫は何も言わず、わたしが毎日作る料理をフツーに平らげてくれている。反応が欲しいな…と心配になって問うたら、何も言わないのは「フツーにおいしい」んだって。
 義母は『苦いのは嫌い』で、『肉も嫌い』なの。なのに、わたしに、『ゴーヤチャンプルーを作って』と言って、毎日世話している畑でとってきたゴーヤを手渡した。
 「パパが苦瓜もお肉も好きだから、作ってやらなかん! ゴーヤチャンプルーの作り方、教えて!」
だって。
 お義父さんへの愛だねぇ、うふふ…と笑いしながら、フライパンにごま油をしいて、いつも通りに作った。義母は、メモを取っていた。
 嫁入り先で料理するのは、やっぱり勇気が要る。
 義父はやっぱり夫のtetsuさんの父で、親子揃って、だまーって黙々と食べてた…
 わたしが作ったゴーヤチャンプルーの大きなお皿は空っぽになったけど、口に合ったのかなぁ…?

 8/12(水):静岡でSLに乗った!
 圧倒された。
 (顔を拭いたら、真っ黒だった(^^;)
 ペンションに泊まって、温泉にゆっくりつかった。
 電車の旅もなかなかいいな。いっぱいおもしろいことがあったから、詳細はまた…

 8/13(木):夫と分かれて、わたしひとりだけ、松田から電車で群馬に戻った。
 まず小田急線で新宿へ。それからはJRの鈍行を乗り継いで、ようやく住まいの最寄り駅までたどり着いた。
 わたしは、あまり電車に乗ったことがなかったので…時刻表と路線図を見比べながら、間違えずに最短ルートで乗って帰れて、ほっとした。
 最寄り駅からはアシがないから、タクシーで帰るしかなかった。駅前の詰め所でテレビに夢中になっていた観ていた運転手さんを引きずり出して、乗せてもらった。

 運賃はタクシーも合わせて3,500円くらいですんだけど、時間は5時間近くかかった。群馬って、遠いー!
 でも、東京までなら2時間くらいでいけることも、分かった。群馬から電車でどこかに行ったことって、今までなかったけど…。うん、いける!
 手作りのインスピレーションの源、ユザワヤは大宮にある(たぶん1時間半くらいで行ける)。
 ビーズ問屋やシモジマのある浅草橋までも、2時間半くらいで行ける。
 よし!

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 知人が出るレースを応援したあと、tetsuさんも明日の夜、帰って来ることになっている。ちょっぴりさみしい…あははsweat01
 
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 帰ってからも、事件が3つもあった!!
 まだまだ予測不可能なグンマライフ。

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好意と親心

 世の中のお嫁さん。
 あなたにとって、夫の実家とは、いかがなものなのでしょうか…?
 わたしはにとっては、正直なところ。
 『たまに数日滞在するなら耐えられる』
です。
 同居は、どうか勘弁…と、帰省するたびに思ってしまうのです…

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 わたしの場合は、『好意』にくたびれてしまいました。
 『好意』なんだけど、『強制』に近い感じがした。

 全ては
 「息子とお嫁さんのために」
という、『好意』から始まる行動らしい。
 この子達が喜んでくれるなら。
 …好意。
 この子達のためになるなら。
 …好意。
 この子達のためなら、親以外の他に誰が言うだろう?
 …好意。
 絶対にそうさせなきゃ!
 ……それも、好意…。
 
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 一度、
 「これ、おいしいね」
と言ったなら、飽きるほど食卓に登場する。
 「tetsuさん、いかのお刺身が好きなの?」
と聞いてみたことがある。
 すると、
 「別に?」
と、すげない答え。
 「実家で毎回出てくるよ」
 「そうなんだよね。うーん、困ったね…」
 困ってるんだ。
 「つくしとか、他にもそういうのがあるんだよね。うかつに『おいしい』って言えないんだよねぇ」

 義母にとっては、自分に関係する他人のことは全て『自分のこと』になるらしい。
 ひとにはひとの考え方がある…のに、そうじゃなくなる。
 『自分にとっていいこと』→『あの人は自分にとって大事なひと』→だから→『きっとあの人にもいいことだから、絶対にさせなくちゃ!』』→『行動』
 結果、強制に近い誘い。
 今のわたしには、ついて行けない。
 苦痛。
 勘弁してよ、と、思う。
 
 …けど、3〜4日のことだから、我慢する。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 夫の実家に帰るのが、しんどいよ。
 その疲れからか、東京の自宅に戻ってからばったり。
 ほとんど24時間寝倒した。

 わたしにはわたしの暮らし方があるのに、『ああせなかん』『こうせなかん』といわれるのは、強制で苦痛に感じられるの…
 夫の実家に帰るのは、気持ちに負担になる。
 そんなものかなぁ?

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竹内まりや

 週末用事があって岐阜のtetsuさんの実家に帰省していました。土曜日の夕方について泊めてもらって、日曜日には義兄夫婦と小学2年生の姪っ子も来ました。
 帰りに自分の実家によって、母や弟と話して、夜7時半頃、車で東京へと走り始めました。

 岐阜から名古屋の自分の実家に行くとき、車に乗って、ものの数分で気分が悪くなった。運転の上手なtetsuさんの車の助手席で、吐くほど気持ちが悪くなるなんてめったにないのに。
 実家のお手洗いでこっそり胃の中のものを全部戻して、堀りたてのタケノコをもらって出発した。

 東京への帰り道、竹内まりやの3枚組のベストアルバムをずっとかけていた。
 歌詞を聞きながら、涙が出て来た。

 たぶん、この2日間で、いろんなことを感じていたんだと思う…

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 岐阜の義父母はもう60代後半。跡継ぎにと育てて来た長男夫婦は、新婚のころ住んでいた社宅から近いところにマンションを買って引っ越してしまった。
 「今日は絶対にお参りさせなかん! お彼岸にも来んかったで」
 「そうなの?」
 「そうや。お正月以来やわ。お彼岸ぐらい、来なかん! 遠いところに住んでるわけやないのに」
 義母はぷりぷりして口を尖らせてわたしに言う。話は姪っ子の教育のこと、義父の失敗(といっても本当に大したものじゃないんだけど)に及んだ。もちろん、義父はすぐそこに座っている。わたしは困ってしまった。さて、なんと言ったらいいものか…と。
 義母にはさまざまな思いがあるんだろう。遠くに住む次男の嫁であるわたしは今のところ、ただ聞くだけ。他にどうしたらいいか分からない。

 実家の母は、前に会ったときよりずっと、おばあちゃんに似てきていた。わたしより何年か早くうつ病になった弟は、躁転したとかで陽気だったけれど、
 「お母さんが帰って来る前に呑んでたこと、ナイショね」
と言った。
 ずきん、と来た。
 「お酒は、薬と相性良くないよ。君の体の方が心配だよ」
と返事した。
 「知ってるよ…」
弟は笑った。
 「知ってるし、分かってるから大丈夫」
 大丈夫? 何が?
 玄関先での小さな会話。tetsuさんはもう車にタケノコを積んで、エンジンをかけ始めた。
 「治そ。頑張ろ。わたしも、頑張る」
 「おう」
 左手の親指を立てて、ぐっと強く笑顔をして、出てきた。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 夜の高速道路。
 助手席で竹内まりやの曲を聞きながら、早く自分の薬を減らして、無くして、コウノトリに来てもらえる準備をしたい、と思った。
 でも、
 『わたしに似て欲しくない』
と考えた。
 『子どもを授かったら、tetsuさんに丸ごと似て欲しい。わたしには似て欲しくない』
 そのあと、はっとして、涙が出て来た。
 自分に似て欲しくない、なんて...わたしは何を考えているんだろう?
 わたしは自分が好きじゃないんだ。
 嫌いとまではいかないけど、好きじゃないんだ。子どもができたら自分に似て欲しくないなんて、それって、なんて悲しいことなんだろう?
 
 ふと気づくと、わたしの頭の中に浮かんでいるのは、過去のつらかった時の場面ばかり。拒否されたり非難されたときや、自分が誰かに対して申し訳なくリカバリーできないままに終わってしまった出来事のこと…
 ふと気づくと。わたしの心の中で、過去のつらい記憶が、相手の表情や声までくっきりと繰り返されている。

 そんなことじゃなくて、前を見ていきたい。
 過去の苦しさ悲しさじゃなくて、これからの未来を描いて生きたい。

 何度も涙を拭いた。
 tetsuさんは、まだわたしが気分が悪いあまりに涙が出て来るんだろうと思ったのだろう。ずっとひとりで運転した。
 「もう調子も良くなったから、運転代わるよ」
と言っても、
 「大丈夫、明日午前中休みとってあるから」
と、代わってくれなかった。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 元気になりたい!
 わたしのことを好きになりたい!
 過去の悔恨じゃなくて、未来の希望をいつも意識に描いて暮らせる自分になりたい!

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'93.6.16

 夕べ、突然、夫のtetsuさんが
 「昔の写真ってどこにあったっけ?」
と言い出した。大学の写真部員だった頃に撮った、白黒の電車の写真を探しているらしい。
 目的の写真は、わたしの『押し入れ地図』によると、『リビング押し入れ上段奥の②』にあるはず。
(押し入れの見えないところにある段ボール箱に番号をつけて、その場所を絵に描いて、中身を覚え書きしておいたのだ)
 『押し入れ地図』によって、正確にその『tetsu・yufu 写真部』と記された段ボール箱が発見され、結婚して以来5年と11ヵ月ぶりに、その中身が取り出されることになりました。

 tetsuさんは、
 「こんな写真、撮ってたんだ…」
と驚いた笑いをしながら、今は廃線となってしまった電車の写真を眺めてた。もう15年も前に撮った写真だ。
 tetsuさんは自分の電車ブログにその古い写真を載せたくて段ボール箱を出して来たみたい。
 だけど、その段ボール箱には、まるでタイムカプセルのような宝物がしまってあった、って、気がついた。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 1993年6月16日。
 わたしは大学1年生。写真部員になったばかりで、白黒写真の現像のやり方が、まだ分かっていなかった…(らしい)。
 その日、(どうやら)1つ上の先輩のtetsuさんに、写真の現像を一緒にやってもらう約束をしていたみたい……なんだけど、tetsuさんが兼部していたバドミントン部の都合で、すっぽかされてしまった(らしい)。
 部室には、長々と、その日一緒にやってもらうはずだった写真の現像の手順が書かれたレポート用紙が置いてあった(らしい)。

 09210407report

 そのレポート用紙を、読み返してみた。

 笑ってしまった。
 そこには、ものすごく細かく書かれた、『白黒写真の現像の手順』が。

 『では、準備をしよう。汚れてもよい服装にしよう』
から始まって、
 『まず、最初に薬品をつくる。現像液は、箱に書いてあるようにとかしましょう。水でもかまわないよ。透明になるまでかき混ぜよう。停止はバットに水をいれてから、酢酸をすこし入れる。定着は小暗室の中のポリタンクから『しょうゆジュルジュル』で移そう。…』
 いろいろ書いてある。
 『引伸し機の上を一回ふいて(現像液がとんでるといけないから)』
とか、
 『レンズは暗室のガラス容器の中から『63mm』とかいてあるのをもってこよう。(必ず両手で支えてつけること)』
とか。
 1993年6月16日。
 もう15年も前の、tetsuさんの手書きのレポート用紙。

 これ以外にも何枚か、tetsuさんの手書きの伝言を、わたしは捨てずに取っておいたらしい。何枚も出て来た。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 そんなメモが部室に残されていたこと、それを読んだこと、そしてそれを取っておいたこと…
 全部、忘れてた。
 
 当時のわたしは、tetsuさんにとっては、手のかかる後輩で困った妹分だっただろうに。
 結婚するなんて、どっちも思ってなかっただろうに。
 1993年のtetsuさんのレポート用紙を見て、今日は、幸せ。
 

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帰省の理由(^^)

 今朝は5時に起きて5時半過ぎに出発し、6時までにインターに入って高速に乗った。
 yufu:「どうしてこんなに朝早く出発するの?」
と訊ねると、
 tetsu:「朝6時までにインターを通過すればETCの『深夜割引』で八王子ICまでの均一区間が半額の300円になるし、今日から『地方高速1,000円で乗り放題』の土日祝日の高速値下げが始まるから、朝の出発時間帯は渋滞するんじゃないかなぁ…。と予想して、渋滞する前に行きたいと思うんだよ」
とtetsuさんは説明してくれた。
 へー、そうなの…。

 昨日まで会社に行っていた夫には悪いんだけど、今のわたしにとって朝5時起きはツライ、ツラ過ぎる。おまけにまだ睡眠薬が効いていて、もう半分夢遊病みたいな気持ちでふらふらと起きだして、なんとか着替えて髪と眉くらいは整えて、クルマに乗り込んだ。
 うぅぅ〜…眠い…。
 t:「大丈夫?」
 y:「…悪いけどあとは連れてって...」
 t:「いいよ、乗ったら寝てて」

 家の外のことについては、わたしはtetsuさんに任せっきり。逆に家事は任されっきり。
 クルマに乗ってシートベルトを締めるなり、また夢を見ながら眠りこけてしまった。
 気がついたらもう日は高く、まもなく東海環状自動車道のJCTだった。
 t:「知多半島にまで、ここから豊田経由で行くよ」
 …なんで? 知多半島? 実家は岐阜でしょうが...。
 t:「阿久比ICで下りたいのhappy01
 tetsuさんの口元が笑っている。
 y:「阿久比になんかあるわけ?」
 t:「イベントで、引退した電車が野間まで走るんだよね。それが昼過ぎに回送されて戻って来るのに間に合えば嬉しいな〜、って...」
 ふふふ、と、tetsuさんは目を細める。

 何のかんの言ってたけど、目的はやっぱりそれかぁ!
 実家のパソコンの買い替えの相談に乗るだの、冬タイヤから実家に預けてある普通のタイヤに付け替えてもらうだの、なんだかんだほかにも…
 そう、朝5時に家を出たのも、(確かに高速の事情もあるんだろうけど)要するに昼に知多半島に行きたいから。

 結局!
 目的は電車っ!!
 
 train ・ train ・ train ・ train ・ train ・ train

 ということで、無事正午ごろ阿久比町に到着。
 マクドナルドでささっとお昼ごはんを食べて、電車の写真を撮るのに良さそうなポイントを探した。

 09210328redtrain1

 クルマをとめたのは、アピタの横の誰も通りそうにない農道。
 田んぼ。

 09210328redtrain3

 tetsuさんはじっとお目当ての電車が来るのを待っている。
 ひとり生えの菜の花が強い冷たい風でびゅうびゅう揺れている。わたしは菜の花に飛来したハチさんを見てた。脚に花粉のかたまりをつけて、花から花へと忙しく飛び回っている。
 
 09210328redtrain2

 train ・ train ・ train ・ train ・ train ・ train

 20分くらい過ぎたかな?
 寒いからわたしがクルマに避難していたら、その赤い電車が通って行って、tetsuさんがレンズで追いながら写真を撮っているのが見えた。
 おや?
 撮り終わってtetsuさん、慌てて走ってくる。
 t:「たぶん次の駅でしばらく停車するから!」
 クルマ、急発進!
 駅の向こうに行き、先回りするつもりらしい。
 ・・・まったく、『てっちゃん』というのはすごい...

 train ・ train ・ train ・ train ・ train ・ train

 そんなことで駅を通り越して適当な農道でまたクルマをとめ、tetsuさんは飛び降りてカメラを手に走って行った。
 今度はすぐに、でも駅を出た直後だったから、電車はまだ遅いスピードでメロディホーンを鳴らしながらやってきて…

 09210328redtrain4

 車の中から、わたしにも撮れたwink
 tetsuさんが愛して止まない、赤い電車。

 さて、今夜はその電車好きを育てた実家にお泊まりです。
 いつも電車の話では予想もつかない『常識』でわたしを笑わせてくれる義父と義母、今夜はどんな話をしてくれるのかしら…

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4年後の父

 今朝の夢は、また、すごかった。
 たいてい夢なんて『目が覚めて少し経ったら忘れちゃった』ってもんだろうけど、違うのだ。

 まず、鬱病になってから、すごく頻繁に夢を見るようになった。
 (鬱病じゃなかった頃は、夢を見た夜よりも見ない夜の方がたぶん多かった)
 この頃は、夢を見るだけじゃなくて、くっきりはっきり覚えている。しかも、ありえないハチャメチャな夢。それが目覚めてからもちゃんと記憶に残っている。
 とてもドラマティックな夢。ストーリーがあって、セリフも登場人物も数多く、まるで映画か2時間ドラマを観ているよう。
 自分ではとうてい思いつかないようなストーリーの夢を見ることもあるので、起きてから、あらすじをメモしておこう…と思う時もある。
 でも朝ごはんの支度をしている間に
 『考えてみると、ものすごく変な夢だったなぁ…?』
と、そのあまりの支離滅裂さに首を傾げてしまい、万が一夫のtetsuさんがそのメモを読んだらわたしの人間性と品性を疑われてしまうかもしれない、と心配にもなって、メモしない。
 そして、結局忘れちゃうのだ…。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 でも、今日の夢はちょっと、気になるのでメモしておこう。

 わたしがどこにいたのかは、覚えていない。
 けど、そこに父が現れた。
 『あぁ、yufu』
と、わたしの名前を呼んでにっこりした。
 最後に会った時の父は、白髪も混じったいつもの七三分けだったけれど、夢に出て来た父はその時よりももっと白い髪が多くて、短く刈り込んでいて、なかなかダンディーだった。
 話しかけて来たので、何か受け答えをしたように思う。
 『元気なら良かった』
 そう言って、父は姿を消した。

 その後すぐに、母が今の姿で現れた。
 『あんた、大丈夫だったの!』
と、母は言った。
 『何が?』
と訊ねると、
 『ミサイルが落ちたでしょ』
という答えが返って来て、不思議に思った…

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 この夢の父は、あり得ない父だ。
 父は亡くなっている。もうすぐ4年になる。あのまま年を取っていたら、63歳かな? 白髪が似合う歳だ。
 母は元気だ。
 ミサイルは、このごろ『北朝鮮の衛星打ち上げ』について、日本が『衛星でなくミサイルだった場合のため』の迎撃用ミサイルを配備した、というニュースをテレビか新聞で見たような気がする。
 まぁ、北朝鮮とミサイルのことも、首都東京に住む身としては気になるところではある。住まいは都心じゃないけど、夫のtetsuさんは都庁のすぐ近くに勤めているから、危険と言えば危険な区域。
 だけど。

 夢は潜在意識に積もったものだという。
 予知夢だったら困る。ミサイルなんか、落ちて来てもらいたくはない!
 幸いわたしは超能力者ではないから、きっと、なんとな〜く脳が覚えていたことが夢に出て来ただけだろう。
 だいたい、その夢で父が『元気なら良かった』と言ったんだから、わたしたちは大丈夫、なんだろう。たぶん。

 父の顔が夢に出て来て、懐かしいような、不思議なような。
 亡くなってしまったから歳を取らないはずなのに、わたしの夢の中ではちゃんと歳を取って現れた。
 たくさん夢を見ると、いったい眠ったんだか眠れなかったんだか分からないくらい、起きてからも疲れを感じることがある。
 でも、お父さんと会えるのなら、夢を見てもいいな。

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ピアス→イヤリング

 実家の母はイヤリング派。
 なのに、買ってくるのはたいていピアスなのだ。

 y:「開ければ? 穴」
 母:「いやぁだ! 痛いのに。それに今までのイヤリングがもったいない」
 y:「穴があってもイヤリングはできるよ。穴がないのにピアスをするのはムリだけど」
 母:「とにかくダメ。注射も、見るだけで怖いのに」
 それでよく、泣き叫ぶわたしたち姉弟を押さえつけて、無理やり予防接種受けさせたねぇ…
 母:「母だもん。愛だ!」
 はいはい。自分の好き嫌いは棚に上げて、わたしたちの口にはニンジンもピーマンもほいほいと放り込んでくれたっけ? それも愛ね、母の愛は理屈を超越してますわ… 
 母:「つべこべ言わず、はい!」

 09210326earrings1

 母:「いいヤツがたまたまピアスだったんだから、しょうがないでしょ」

 最近の『母的いいヤツ』とは、ぶらぶら揺れるヤツらしい。
 右側の青い石のビーズのと下の大きなガラスビーズのピアスを渡された。

 y:「このおよそ趣味に合いそうにない、いかにもメッキチックな銀色のイヤリングは、なに?」
 母:「バザーの最終で10円だったから(^^)v 金具だけ使えるかなと思って」
 y:「しっかりしてるねぇ…」

 ということで、実家に帰るとピアスを預かって、次の帰省までにわたしが金具を付け替えておくことになるのだ。
 ちなみに、写真の上の白いパール様のしずくのかたちのピアスは、わたしが母にプレゼントしようと思って買っておいたもの。
 今日ようやくゴールドと古美色の金具も買って来たので、3ペアまとめてピアスからイヤリングにリフォームしました。もちろん10円イヤリングのシルバーの金具はちゃんと役立てました(どうせ10円ならもっといっぱい買っといてくれれば良かったのに)。

 09210326earrings2

 夫のtetsuさんが月曜日に休みをとれそうだということで、急だけど今週末、帰省することにしたのだ。
 金具の付け替えなんて、ビーズ用の先の細いペンチと材料さえあれば、ほんの数分でできてしまう。いつも次の帰省まで母を待たせてしまうから、これからは『金具付け替えセット』を帰省の荷物に常備して行こうかな。

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好きなんだ、なぁ…。

 夫のtetsuさんが愛して止まない『赤い電車』が、昨年暮れにとうとう引退してしまいました。

 11月・12月には、連日午前様、週末まで仕事をお持ち帰りしているというのに、『赤い電車のために』週末がんばって岐阜まで帰省。
 インターネットで時刻表をばっちり調べて、実家で仕事をしつつ時計を眺め、
 tetsu:「あっ!」
と、義父母のスクーターを借りて脚立を積んで、電車の写真を撮りに行っていました。
 約30分後、帰宅したtetsuさんに、
 yufu:「どうだった?」
と訊ねると、
 t:「曇っちゃって、どうも色がきれいに出なかったよ…」
 おや、それは残念だったね…。
 ガリガリ仕事とにらめっこして1時間後、折り返して戻ってくる電車を撮りに、また
 t:「あっ!」
と、突っ走って行ってしまいました。
 この日は、日暮れまで(だったかな?)その繰り返し。
 その間、わたしはぽけた〜んと義母のおしゃべりを聞いていたり、義父にパソコン教室をしていたり、お昼寝したりしてました(^^; (何てお気楽な嫁だ…)

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 もともと知り合った当時は、大学の写真部の先輩と後輩という立場。恋多き(?)わたしにとって、とても穏やかな優しいお兄ちゃん。(もちろん、10年後にまさか結婚することになるとは、それこそ夢にも思わなかった)
 その頃、tetsuさんはそんなにテツ根性を見せる人ではなかった、と思う…。
 写真部の中には、『鉄道研究会(略して鉄研)』と兼部しているあからさまな鉄道ファン部員が何人かいたのですが、tetsuさんは鉄研じゃなかった。全紙の大焼き(ポスターみたいな大きな白黒の写真を現像すること)を手伝ったこともあったけど、電車の写真じゃなかった。確か、風景が多かったような気がする。
 だから、そんなに電車が好きな人なんて、知らなかったんだ。
 卒業後何年も経ってからお付き合いするようになっても、
 『写真が好きで自転車が好きなアウトドア派なひとなんだ』と思っていたのでした。
 …最初は。

 しかし、結婚して2年、3年経ったころから、だんだん本性(?)が現れ始め…
 時々、1セット1〜2万円の電車模型が増え…
 旅行に行けば、道中車を止めて駅や線路脇でじっとカメラを構える回数が増え…
 アウトドア系だったはずのホームページは、最近ではすっかりテッちゃんブログに…。

 それもそのはず。


 『物心つく前から両親の影響で電車が好き』
   ↓
 『写真を撮りたい』
   ↓
 『写真部』
   ↓
 『電車写真を撮るためには、機動力が必要』
   ↓
 『車は駐車に困る』
   ↓
 『ということで、自転車に乗ってます』


 …なんて。

 tetsuさんのブログのプロフィールに明記されていました…
 知り合って十余年、結婚して数年。

 わたしは、そのプロフィールページを読んで、口あんぐりでした。

 そ、そうだったのか・・・。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 
 tetsuさんの電車好きはご両親の影響をもろに受けて幼少の頃から培われたものというのは、帰省するたびにもう十分に思い知らされているのだけれど。
 両親と全然違う道を進む子も多いわけで、それなのにばっちり影響されて、30年以上もがっちり愛しているなんて、すごいと思う。
 飽きっぽいとか飽きっぽくない、とかいう次元を超えている。
 もうここまで来たら、もう、運命!
 そんなひとと結婚した以上、もうどこまでもお供するしかない、と、最近覚悟を決めたような心地を感じる時があります。

 も、いぃよ〜!
 いくらでも撮ってちょうだい。
 iphotoが電車写真で埋まっても、『わたしの』Macのスクリーンセイバーがいつの間にか結婚式の写真から電車シリーズに変えられていても、もう何も申しません…。

 だって、tetsuさんのブログ読んだら、「しょーがないなぁー」って、思うもん。それっくらい、好きなんだ、なぁ…って、思ったもん。
 嫉妬もどっかに行っちゃった…かな(^^)

 

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まんが三昧

 何が楽しみかって♪

 実家に帰ってやることと言えば。

 こたつにはまってまんがを読む、ですがな(^^)

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 Y:「なんかおもしろいの、ない?」
 三男C君:「相変わらずだな」
 Y:「はいはい♪」
 C:「そんなお姉さんには、『おせん』がおススメ」
 Y:「ふーん。では読んでみましょう」
 どさっと15冊渡された、『おせん』。

 おもしろかった!
 生活を楽しもう、お料理を好奇心で楽しもう、っていう気持ちになりました。
 しかも時々お色気でね(^^;
 前日に『BASTARD』を何冊か読んでいて、これはこれでファンタジーで大変むらむらと三大欲のひとつにうったえかけるものであったのだけれど、『おせん』はまた全然違いました。読んでいて泣いたよ。笑ったよ、どっきりして色っぽかったよ。

 『おせん』
 おんなから見て、いいおんなだ!
 あんな、粋なおんなになりたいな。
 でも、粋でもさりげなく、自分らしく。
 目指せ、いいおんな!

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 Y:「ねぇねぇ、『おせん』15冊、全部読んじゃった。気に入ったよ。で、他には?」
 C:「では、『勇午』! これにはまらなければ、うちの人間ではない!」
 弟C君が、満を持して(?)山盛り持って来たのが、『勇午』。プロのネゴーシエイターの物語、とりあえず12巻。

 …読んじゃいました。
 12冊、4時間くらいで…(^^;

 大人の漫画なんだよね。
 艶も毒も知恵も根性も生も死も。

 どきっとした。
 えっ、って思った。
 息も飲んだ、何度も。

 読みたい! 気になる。

 ニッポンのマンガ、万歳!

 …って、気持ちです。
 だって、すごい。
 文学が素晴らしいなら、それをさらに絵で訴えてくるマンガは、もっと破壊的な説得力がある。
 ニッポン、マンガ、バンザイ!
 って、誇らしい気持ちです。
 

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『クリスマスの約束』

 昨日の昼間、珍しく母から携帯にメールが届いた。
 『クリスマスだ、小田和正だ! 録画しといて』

 …ふふんっcatface
 気配りのA型をナメんなよ。
 とっくにチェック済みですよ。
 HDDに録画予約の設定をしてある。
 朝日新聞の全面広告も、切り取って『帰省に持って行くもの箱』に入れてあるよ。

 Y:『ばっちり録画予約済み、安心して。今度帰る時に、ちゃんとDVDにしてもってくからね』
と返信したら、
 母:『有り難や! 持つべきものはやっぱり娘』
なんて、またメールが届いた。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 母が小田和正さんのCDをよく聞き始めたのは、父が亡くなったころかなぁ…
 いや。
 父の葬式の後、1週間だかそこらの日に名古屋のレインボーホールでライブがあって、そのチケットを買っていたから、父が亡くなる前から聞き始めていたのかな。
 葬式の後、2週間くらいわたしは実家にいた。ライブはその間にあって、わたしは
 「行っておいでよ」
って、飼い猫のニー君を抱いて母を送り出した記憶がある。
 母は、ちゃんとお化粧をして出かけて行った。
 ライブの小田さんの曲を聞きながら泣き出したりしなかったのだろうか、と、夕方、飼い猫のニー君を抱っこしながら…なんだろう、明るくない気持ちになっていた。

 ニー君も、19歳で、半年前に、亡くなった。
 わたしが知ったのはお盆の少し前で。
 Y:「え? うそ。いつ?」
 母:「5月12日。C君なんてゴウゴウ泣いて」
 Y:「6月に電話した時に『ニー君元気?』って訊いたのに。元気だって言ったのに」
 母:「あんた離れてるからね、だから」
 父の日の少し前に電話していた。実家に電話して、ニー君のことを話題に出さないことが無い。聞き流していたけれど、電話した度、ニー君のことを話題にしていた。その時も、母は『うん、相変わらずだよ』と言った。

 家族の絆は、優しかったり。
 鬼のように厳しかったり、内緒だったり…
 
 
  

 
 

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ネクタイとYシャツとプレゼント

 国分寺のマルイがリニューアルオープンした頃、7階のLOFTをぶらぶらしていてふと目に留まったPOP。
 『工場直売 ¥987 絹100%』
 お?
 並んでいたもの、それは…eye
 ネクタイ。
 隣のテナントが、Yシャツとネクタイを主に扱うお店だったのだ。
 ネクタイって、カラフル!
 まるで虹みたいに、いろんな色がグラデーションに並べてある棚を見て、夫のtetsuさんのことを思い浮かべた。
 ネクタイって買ったこと、ないんじゃない?
 5年前、結婚当初は工場ユニフォームだったから、ネクタイはしなかった。3年前、本社に異動になって東京に来てから、毎日スーツとネクタイを着るようになった。
 以前、営業職だったから、その頃のスーツとネクタイを出してきて着ている。今までは手持ちで間に合ってたみたい。でも、さすがに毎日スーツとYシャツとネクタイで仕事するとなると、ね… くたびれてもくるし、ほころびてもくる。マンネリもしてくるかも。Yシャツは今まで何着か買い足した。
 ネクタイ、絹100%で987円なら、お値打ち!
 気軽に買える♪
 「縫製も品揃えも良かったよ、一度見に行ってみない?」
と、tetsuさんに話したのが、たぶんもう、1ヶ月くらい前。

 いきなり買って行こうかな、とも思ったの。びっくりさせたくて、喜んでもらいたくて。
 でも、よく分からなかったんだ(^^; 男の人のネクタイって。
 ふだん身につける物をプレゼントするって、難しい…
 だって好みがあるじゃない?
 手に取ってみて驚いたのが、『花柄』
 男の人のネクタイに、細かい花がデザインされていたの。
 驚いた!
 花柄?!
 どうかしら…sweat02
 …やっぱり、勝手には買えない…。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 実家の母は、父やわたしや弟達の服を勝手に買っていた。
 自分を含め、6人分のサイズを把握していたの。すごい!
 おまけに、母の買う店は、市販の半額以下に安かった!
 その安い中から、センスのいいのを見つけて、バッグから常備のメジャーで丈やゆきを計って、買ってきた。離れて暮らす弟達3人が取り合いになって、母が翌日早くに同じ物を買いに行ったこともあったっけ(^^;

 わたしには、できないなぁ。自分以外の人が着る服を買うなんて…
 センスも無いし、着るものは「本人が気に入ったもの、着やすいサイズは着てみなくちゃ分からない」って思うし。
 良さそうな物を見つけたら、tetsuさんを連れて行って、見てもらって試着して、
 「うん、いいかな」
ってならなくちゃ、買えない…
 
 例えばさ、父の日にネクタイを…ってよくあるけど、わたしはお父さんにプレゼントしたこと、なかった。なぜかと言うと、実家では、『記念日にモノを贈る』という習慣がなかったの。
 誕生日にプレゼント、クリスマスにプレゼント、父の日に、母の日に、敬老の日にプレゼント…そういう『モノを買って贈る』ということは、うちではおよそなかったのです。
 両親の方針なのかな?
 ひょっとして、わたしが忘れているだけかな?
 クリスマスには、お父さんがケーキを買って来てくれて、切り分けて、みんなで食べた。それは覚えている。でも、そのあとに姉弟ひとりずつにサンタクロースがクリスマスプレゼントをくれた、っていう思い出は、ない。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 今日、ふたりで見に行って、tetsuさんはネクタイを2本とYシャツを1着買った。
 話した時には
 T:「買って来ていいよ、良さそうなのがあれば」
 Y:「好みに合わなかったら困るよ」
 T:「んー、でも、僕が自分で選びそうもないような柄が、意外と合ってるかもしれないし?」
なんて言ってたのに。
 実際に見に行って、
 Y:「これなんか、どう?」
とわたしが指差したネクタイの柄には、難色を示してた…。
 ふぅcoldsweats02
 やっぱり、勝手に買わなくて良かったよ!

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 
 プレゼントって難しいよね。
 身近なら近いほど。
 好みが違ったら、と思うと、選べない。
 (自分の立場だったら、もらっちゃっても、好みと違ったらあまり使えなくて…申し訳なくて。)
 あげた方は気になっちゃう。あれ、使ってくれてない? って。
 お互いに、気になって、気になって、って、心苦しい。
 やっぱり、一緒に見に行くのが一番。

 でも特別感が起きないのが、唯一の悩み。
 だって、今月はtetsuさんのお誕生日で、クリスマスなんだもの…なのに、ご自宅用のエコシンプル包装なんだものsweat01

 驚かせたいなぁ。
 びっくりして嬉しい、って、喜んだ顔がみたいな。
 どうしたら、tetsuさんに、嬉しくて喜んで楽しそうな顔をしてもらえるのかな。
 …って、思うのです。

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弟、去る。

 金曜日に我が家に来て4日目、韓国在住の弟B君(28)が、実家の名古屋に帰って行った。
 夕べ『友達のところに泊まる』と電話がかかって来て、こっちにくるのは今日の午後3時半頃だと言う。
 (はいはい、勝手になさい)

 B:『新宿から5時の高速バスに乗る。ケースを買って、ピアノ持って行くからよろしく』
 Y:「どこまで?」
 B:『韓国まで』
 えーっ!

 B君が韓国に行く前に、物の多い我が家を大騒ぎして片付けて場所を空け、ひとまず引き取ったローランド。
 ピアノが欲しかったから嬉しかったけど、結局、仕事が忙しくてほとんど弾けなかった。辞めて最近ようやくちょっと弾き始めたかな…ってとこだったのに!
 でも仕方ない、持ち主が持って帰ると言うんだから…

 未練たらたらのまま、コードやケーブルを抜いてまとめ、ローランドピアノをスタンドから下ろした。
 重いっ!!
 あいつ、こんな重い物を名古屋まで運んで、さらに飛行機に乗せてソウルの下宿まで持って帰るつもり?! 絶対20kg以上ある。と思う。
 さらにスタンドを畳もうとして持ち上げて、またびっくり。
 これも重い…。
 わたしが持った感じでは、ピアノとスタンド、合わせて30kgってとこ?
 大丈夫かしら?

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 B君は3時40分頃、ようやく帰って来た。
 「バスを間違えた! 遅くなった」
 だいじょうぶ、このくらいならまだバスに間に合う。

 …が。
 Y:「それ、なに?」
 B君は大きなレジ袋を持っていた。
 B:「DE CECCOのパスタ、3kg」
 3kg?!
 B:「あと、オリーブオイルとアンチョビ缶。だって、韓国に売ってないんだもん。ドライトマトなんて、言葉すら存在しない。だから買って来た。食材だけでたぶん5kgはある」

 …。
 B君がパスタ好きで料理上手なのは知ってるけどね。
 無いなら、いっそのこと韓国でイタリアンレストランでも開いたら?

 Y:「とにかく、車回してくるから。荷物詰めて。あ、そのケースは『サラリーマンNEO』のDVD。あんた好きでしょ、tetsuさんがあんたのために録画しといてくれたの、7-8枚はあると思うよ」
 B:「『サラリーマンNEO』! 楽しみだ。おぉ、セクスィー部長!」
 Y:「さっさとやれ!」
 わたしは鍵を手に飛び出した。
 車を団地の階段前に駐めて戻ったら、弟は唖然としていた。
 B:「お姉さん! 重い!」
 ほら、やっぱり…
 B:「まさかこんなに重いとは! ソフトケースにして良かった、ハードケースだったらきっと後悔する」
 Y:「既に後悔してるでしょ」
 B:「してる」
 Y:「ホントに持ってくの?」
 B:「持ってく。何とかなる」
 ソフトケースの持ち手を肩に掛け、背中にリュック、右手に食材5kg、左手にスタンド5kgを持って、弟はよろめいた。
 B:「重い! 予想外に重い!」
 …バカ...。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 それでも韓国まで持って行く、という弟とピアノをレガシィに積み、とにかく駅まで送り届けた。
 B:「おっ! お姉さん、やっぱり重い! 新宿までたどり着けるんだろうか?!」
 Y:「今ならまだ『置いて行く』って選択肢もあるよ?」
 B:「いや、持って行く」
 …やっぱり、バカ。
 Y:「気をつけてね〜」
 よろめきながらエスカレーターに向かう弟に手を振り、バスにクラクションを鳴らされたので慌てて車を発進させた。
 家に帰って、母に電話。
 Y:「もしもし? B君がピアノとスタンド持って行ったから、誰か名古屋駅まで迎えに行ってやって」
 母:『はぁ? どこまで持ってくつもり? まさか…』
 Y:「まさかよ、ソウルまで飛行機で持ってくって」
 母:『あのバカ…』
 母、絶句。

 電話を切った後、弟C君にメールした。
 アマチュアマジシャンの公演を終え、本職(?)のDr.論文と臨床心理士のアルバイトで、頬がかなり痩けて身長183cmもあるのに体重は60kgちょい、という多忙な三男。
 『お疲れのところ気の毒だけど、B君がローランド持って行くから、名古屋駅に迎えに行ってやって。車の助手席倒せるようにしてね、ローランド長いから。姉』

 ふぅ。
 もちろん、メールのタイトルは、『台風typhoonは名古屋へ向かった』でありました。
 まったく、お騒がせな弟め。
 まぁ、楽しかったけどねnote

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緑色の箱

 08201212jan_2

 これ、どうしようかな〜…

 と、ふたを開けて舐めてみて、悩んでいる。
 韓国から一時帰国した弟B君のお土産。
 甘い西京味噌にとうがらしを混ぜて辛くしたような感じ。

 わたしは、料理は好き。
 和食が好きかな。
 パスタとかオリーブオイルを使ったお料理も、作るけど。
 これ。
 うむ〜〜〜(- -;)

 悩む。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 けっこう辛いので、まずはマヨネーズを混ぜてまろやかにしてみました。
 それを旬の秋鮭に塗って、もやしと長ネギと一緒にホイル焼きにしてみたところ…
 予想外においしかった!

 でも、野菜と一緒だと水が出てしまい、その水分がいまいちだった。
 そのまま塗って直火で焼いて、こんがり焦がした方がおいしいかも!

 緑色の箱の中身は、まだまだたっぷりあります。
 どうやっておいしくお料理したらいいかなぁ…
 ちょびっとずつ異国の味を舐めながら、悩むところなのであります。

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弟、来る。ーday2/ニンジンごはん考

 昨日、やってくるや否や数々の事件を巻き起こした弟B君(28)。
 夕べは久しぶりにトーキョーのクラブで友達と一晩踊り明かし、今朝7時頃に帰って来てそのままお休みなさいでした。

 今日はちょうどお昼頃に朝ごはん。
 メニューはyufu流ニンジンごはん(夕べ多めに作ったsweat01)、わかめと揚げと豆腐のみそ汁、ハムエッグにトマトとキュウリ、大根とがんもの煮物(これも夕べ…coldsweats01)、納豆、デザートにみかん。
 フツーの朝ごはんなんだけど…

 まったく、弟にかかると、全てが事件になる。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 その1ー「ひとり盛り」と「納豆」

 朝(昼?)ごはんを作っていたら、
 B:「すごい! ハムエッグとトマトとキュウリが、ひとり一皿に盛られている!」
 それは、まだ2人家族だからです。
 実家みたいに6人家族だったら、トマトとキュウリは一皿に山盛り、ハムエッグ6人前をフライパンごと食卓にのせるさっ。
 取り皿は各自が用意(食いっぱぐれるのがひとりぐらいはいるかもね。弱肉強食じゃ!)
 B:「韓国では、スープでさえ大鍋くらいのドンブリ」
 Y:「手元にお椀もって、取り分けるの?」
 B:「違う、手元に大スプーン1本を持っている。大ドンブリからすくって、そのまま飲む。気にしない。日本人みたいにハシをひっくり返したりしない」
 …あ、そう…。こっちの方が、弱肉強食実践度、高いかもしれない…。

 実家の弟たちは、なにしろ納豆にうるさい。
 ちょこちょこっと混ぜたくらいでは、
 『マズい! 納豆の神髄に達していない!』
と渋い顔で睨まれるので、本日の『納豆係』は弟B君に命じた。
 B:「お姉さん、納豆は、練って練って練れば、ついにはアミノ酸の糸が切れるんだ。そこが旨い! 糸を引かないし、本当のおいしい納豆になる!」
 はいはい〜。
 …あ、みそ汁におみそ入れなくちゃ。
 B:「ねぇねぇ、お姉さん。タレは1袋? 2袋とも入れるの?」
 Y:「君の好きにしなさい。醤油もあるよ」
 B:「やっぱり、ニッポンは納豆だ!」
 納豆2パックとみじん切りのネギを入れた器、納豆かきまぜ用竹べら、卵1個を与えたら、弟B君は、喜んで10分くらいも練っていた。
 すでに週末仕事お持ち帰りの宿題モードのtetsuさんは、肩がヒクヒクっと笑っていた…。

 B:「キムチが無い。不思議だ。韓国では常にキムチだ、おかず5品のうち2品は『赤い』」
 Y:「えー! 朝から息が臭くなりそうbearing
 B:「いや、実際には食べないんだけど。でも食卓に並んでいないと文句を言う。『キムチが無いなんて食事じゃない!』って」
 韓国の家庭に『キムチ専用冷蔵庫(-1℃)』が必需品、という理由が実によく分かる。
 毎食必ず登場するなんて! 日本の漬け物? いや、きっとそれ以上に登場頻度が高いに違いない、キムチ系。
 弟B君が持って来たやや発酵過剰のキムチとカクテギのため、今、うちでは、冷蔵庫を開けるたびに部屋中にキムチ臭がもわわ〜んと広がるの。
 冷蔵庫がキムチ臭に満たされている!!
 我が家には『キムチ専用冷蔵庫(-1℃)』なんてものは無いので、密閉空間でキムチと一緒にされた他の食品全てに、キムチ臭が移るような気がしちゃう…。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 その2ー『ニンジンごはん』について

 B:「ところで、このニンジンごはんは、パラッとしてるね。お母さんが作るニンジンごはんはもっとべとっとしてた」
 Y:「お母さんは、炊きあがったごはんに具とつゆを混ぜるから、『+つゆ』でべとっとするんだよね。わたしは炊き込み方式」

 いわゆる『炊き込みごはん』。
 あるいは『五目ごはん』、時々『かやくごはん』と呼ばれるもの。
 実家ではこれは『ニンジンごはん』と言っていた。

 大量のニンジンが主役で、時々、あげとか鶏肉とかこんにゃくとかシイタケとかがはいっていた。食べて鶏肉が入っていたら、大当たり! …というくらいに、まずニンジンが大量だったのだ。
 母のニンジンごはんは、混ぜごはん方式。炊きあがったごはんに、別に煮込んだ具とつゆをのせ、蒸らした後、混ぜる。
 母・姉・弟3人の誰が混ぜるか、その混ぜ方次第で、均等においしかったり、すごく味の濃いアタリ部分があったり、かたまりを口に入れたらただの白飯というハズレ部分もあったり、ムラのある混ぜごはんだった。
 白いハズレ部分に多く当たった時には、混ぜたヤツを恨みつつ、次のアタリを願って『お代わり』に走るので、あっという間に5合のニンジンごはんは四姉弟の胃袋に消えて行ったのでした。(だいたい、お釜いっぱいの5合メシをむらなく混ぜるなんて不可能だもんねconfident)
 そのアタリハズレも楽しみつつ、子どもの頃から大好きだった、母のニンジンごはん。

 わたしは、具材や味付けは母のレシピを継承したけれど、混ぜではなく炊き込み方式に変えた。
 最初に具を少し煮ておいて、その煮汁と出汁を合わせてお米の水加減をし、上に具材をのせて炊く。
 これだと、べっとりせず、具に下味を付け、さらに具のうまみがつゆに出る。そのつゆに出汁を合わせて炊き込めばむらなくごはんに味がつくし、具材を別の鍋で煮込む必要も無く、炊飯器に任せてごはんが炊きあがった頃には上に乗せた具材もしっかり味がしみ込み、火が通る。あとは混ぜるだけ。時間短縮とガス代節約もでき、一番効率的でおいしいと思って。
 でも、
 B:「お弁当に持って行って、冷めちゃってもおいしかったよね」
 …うっ。
 このyufu流炊き込み方式だと冷めると固くなって、ごはんが一粒一粒ぱらぱらっとしてしまう。これはお弁当には不向き。
 そこまで見越しての、べっとり混ぜごはんだったのだろうか?
 偉大なり、母。
 (でもニンジンごはんはたいてい夜のうちに『頭の黒いネズミ』に食べ尽くされて、翌日お弁当に持って行けるというのは、きわめて運が良かった時だけだった)

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 B:「なんでもいいけど、やっぱり和食はうまい!」

 …素直に『お姉さんは料理が上手だ!』と言え!

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弟、来る。

 韓国から一時帰国中の弟であり次男のB君(28)が、実家の名古屋から高速バスで東京にやって来た。
 そして、数々の事件を巻き起こした。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 その1ー異臭電車。

 夕方、B君を最寄り駅まで迎えに行ったら、彼は周囲1m以上に、もわもわと、キムチ臭をまといながら車に乗り込んで来た。
 B:「やっ、お姉さん。元気?」
 Y:「よく電車止まらなかったわね? 『異臭がする』って」
 B:「いやー、警備員呼ばれたら困るな、と思った。その時は身元引受人にお姉さんを指名するつもりだった」
 Y:「そんなヤツ知らないって、言ってやるっ」
 車、発進。
 B:「まぁまぁ、無事来れたんだからいいじゃない」
 外気にしてもカーゴファンを回しても、車内はキムチ臭プンプン。
 B:「たぶん、機内が温かったから、キムチの発酵が進んだんだと思うんだよね。実家に帰った時、袋がパンパンに膨らんでたもん」
 それは間違いなく、乳酸発酵している…。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 その2ー謎の客人。
 
 B:「高速バス、tetsuさんの会社があるビルの前に着いたんだよ」
 Y:「あ、そう」
 あの辺りの交差点は安い長距離バスの発着所になってるからね。わたしもあそこから乗ったことあるし。
 B:「で、会って来た」
 キキーッ! 
 交差点、赤信号、思わず急ブレーキ!

 …なにっ?!
 この年末で稼働日が少なくて、タダでさえ忙しくて、毎晩夜中まで仕事した挙げ句に宿題持って帰ってる、tetsuさんを、仕事中に、呼び出したぁ?!
 B:「受付でtetsuさんの名前言ったら『お約束ですか?』って言われたから、『オトウトです』って言って」

 ・ ・ ・ 。

 Y:「…tetsuさん、驚いてなかった?」
 B:「驚いてなかったと思うよ」

 いや、質問、間違えた。

 Y:「…tetsuさん、笑ってなかった?」
 B:「うん、笑ってた」

 ・ ・ ・ 。

 多分、びっくりして笑ってたんだと思うよ…sweat02
 今日からB君が泊まりに来るのは知ってるけど、まさか、仕事中に会社に来るとは、ねぇ…。あまりに予想外で。

 おまけに、どう見ても赤の他人だと思うんだけど…。
 わたしの夫のtetsuさんは、いかにも日本人な、優しい顔立ち。背はあまり高くなく、170cm弱。
 対して弟B君は、見かけ、ちょっと日本語が滑らかなだけの中近東系の怪しげな大男。
 わたしは言いたかった。
 受付のお嬢さん!
 アポイントも無いのに、
 『弟です』
の一言の申告で、社員に取り次いでいいの?!
 似てないでしょ。明らかに他人でしょ!
 
 B:「ね、ね、お姉さん、tetsuさんの会社の受付のお姉さんきれいだね。あとで、『あのかっこいい男の人、弟さんなんですか? 紹介して!』とか噂になってないかな〜♪」
 なるかっ!
 アホっ!!

 あまりのマイペースに呆れ返りつつも、B君が夫のtetsuさんとの関係を
 B:『弟です』
と名乗ったことが、内心とっても嬉しい、わたしnote
 父が亡くなったときに、義理の兄であるtetsuさんに心境的に違和感があったみたいだから…うん、わたしは、素直に、嬉しいな。

 でもtetsuさん、忙しい時に、ごめんなさい...

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 その3ーこれ、なに???
 
 うちについた弟B君は、荷物を置いてまたさっさと出かけてしまった。
 B:「これ、お土産。本場直送、キムチとカクテギ。あと、○○醤」
 …○○醤??? (何とかジャン、と言ったけど、聞き取れなかった)
 渡された緑色の箱を見て、わたしは首を傾げた。

 Y:「で、頼んだipod touchは?」
 B:「あ、これこれ」
 Y:「いくら? 夜遊びの軍資金いるでしょsmile、為替手数料無しの日本円キャッシュで払ってあげよう」
 B:「…じゃ、原価でいいや。25,000円」
 コラ!
 メールして来た値段より安いじゃないか!
 このぉ、姉からリベート取るつもりだったんかい?!
 B:「メールは一斉に出したから。お姉さんは身内価格、儲け無しってことで。でも商売になると思わない? 手数料とっても、まだ2割引きで輸入できる。円高ウォン安の今なら」
 はいはい、勝手にやって。
 ということで、国内のリンゴ屋で買うよりも1万円も安くipod touchを購入できたのでした。

 そんなわけで、本題。
 弟B君がお土産に持って来た○○醤(何とかジャン、と言っていたけど、覚えてない)なんですが…

 これ、ナニ?
 
 08201212jan


 B:「蓋の写真見てよ。野菜につけて食べたり、焼き肉をサンチュに乗せてそれにかけて食べたりするんだよ」

 …にしては、けっこう辛い。
 キムチのつゆをねっとりして甘くしたような感じ。
 これをどう料理に応用しよう? と悩んでいるうちに…
 B:「じゃ、行ってきます。帰りは朝7時頃。おっと、クラブ用の服に着替えなくちゃ」
と、セーターから身軽なシャツに着替え、渋谷のクラブに夜遊びに。
 なんてマイペース。(知ってはいるけど)
 
 さっさと行けっ!

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弟はともかく、寝場所!

 さて、韓国から一時帰国した弟B君を泊める約束をしたけれど、ヤツが寝るところを作らなくちゃいけないことに気づいた。
 なにしろ弟の予定は曖昧なので、1泊でどこか別のヤサに行くかもしれないし、東京にいるあいだ3泊しっかり寝ていくのかもしれないし、まったく予測がつかない(多分本人もそうだろう)。
 狭い1DKの団地なので、DKにわたしたち夫婦が寝て、普段寝室にしている1の部屋に弟用のふとんを敷くしかないだろうなぁ〜…、と、考えた。

 はい。
 寝室を開けることはいいのです。
 夜遊びして朝帰ってくるという弟だから、離れた寝室に隔離して、好きなだけ昼間放ったらかして寝せておけばいいのだ。
 となると、問題は、われわれ夫婦の寝床。
 どうしても、DKにふたり分のふとんを敷かなくてはならない。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 敷けるんでしょうか…ここに…sweat02
 と、足の踏み場しかないDKを、まじまじと見渡す。
 
 ごろ寝してテレビを見るスペースすらないと言うのにっ。

 原因は、あれだ!
 夫tetsu さんが座っている座布団の左側に積み上げられた、数々の雑誌の山!

 Y:「ねぇ、これ、本棚にしまっていいかなー?」
…と、恐るおそる訊ねたことがあるんだけど、その都度、失敗に終わりました。攻撃的ではないものの、明らかに機嫌を損ねてしまい。
 2〜3ヶ月に1度くらいそんなことが繰り返され、その間にtetsuさんの手の届くところにある雑誌の『巣』は毎月大小厚薄5〜6冊のペースで増えて行った。
 とうとう本日、
 Y:「ごめんね! 雑誌の山、触るよ。B君泊めるから」
 たぶんtetsuさんだけだったら、『そこら辺にのけといて、僕、寝袋で寝るから』とでも言いかねない。そういうひとなのだ。
 Y:「わたしたち、こっちの部屋でおふとん敷く場所作らなくちゃいけないから!」
と、珍しく強気で宣言してtetsuさんを会社に送り出した。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 さっ!
 やるぞ!
 腕まくり。
 まずは3つも4つもの山の仕分け。

 げっ、ホコリっぽ〜い…
 
 電車の雑誌、自転車の雑誌、数種類。
 車。社内報。お気に入りのディーラーの情報誌。
 ビジネス情報雑誌×3種。
 あるわ、あるわ。
 8ヶ月前のレシートが出て来たぞ!
 もっと前のダイレクトメールまで…(えい、リサイクルに出してやるっ!)
 ん? ○×証券? ▽○保険? これって、重要書類じゃないの?
 も〜〜〜っ!
 
 月刊誌なんてね、2008年の2月号から2009年の1月号まで12冊揃ってるのよ!
 要するに、12ヶ月、ここの『巣』に積みっぱなしだったってことよ。
 んも〜〜〜っ!!
 手を付けなかったわたしもわたしだけど、これはtetsuさんの財産であってわたしのではないからどうしようもないじゃない!
 許可を得ずして勝手に片付けたりリサイクルに出したりはできないの。それがわたしの気持ち。tetsuさんの大切なものだから、勝手にはしない。
 …万が一やったら…怒るだろうな(彼が怒ったのは、この間までわたしが勤めていた会社のことと、運転中にマナーの悪い車がいるときくらいだ)sweat01

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 とにかく、雑誌は仕分けして、しまえる物は棚に収めて、不要な物はわたしの判断でリサイクル箱に放り込んでしまった。
 それでも、まだ収まらない雑誌が、いろいろ約90冊!

 分かんないよ、雑誌なんて時の物でしょ、旬が命でしょ、ムダな広告だって山ほど。
 本当に残しておきたいページと表紙だけ切ってファイルしてもいいじゃん。わたしはそうしてるし、このごろはファイルの代わりにスキャナで電子化して、キーワードつけてすぐに探し出せるようにパソコンに残してるのよ。
 
 う〜〜〜。
 とにかく、1m2の貴重な面積を占領する雑誌の山、弟B君の宿泊を機に、なんとかクリアにしたいよー! 

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明日、弟来襲。

 さて、あす韓国から弟B君がやってくる。
 彼の東京での予定は、
 『金曜日の夕方に東京に着く。荷物を置きに行って、その後夜遊びに行く。帰りは朝。その後の予定は全く決まっていない』
とメールが来た。
 旅行の予定が直前になっても決まらないのは、どうやら血筋?

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 昨日、名古屋の実家に帰ったらしいとの情報が入ったので、実家に電話をかけた。
 具体的な予定を聞きたくて電話したのに、こっちの質問を無視して、
 B:『あぁ、お姉さん! 日本は物価が高い! 高すぎる!』
と叫んでいる。
 B:『中部空港から名古屋までの電車が12,000ウォン!』
 (変なところで頭使ってるなぁ)
 B:『地下鉄に1回乗るのに3,500ウォンかかった!』
 帰国したなら円で考えろ! 不便じゃないかっimpact
 まったく、とにかくマイペース。


 ふと…計算機を叩いてみた。
 200円=3,500ウォン?
 と言うことは? 1円=17.5ウォン?

 日本で定価35,800円のipod touchは、いくらなんだろう?
 単純に計算すると626,500ウォン!
 げっeyesweat01 すごい高いみたいな気がする!
 だって、万どころか十万単位ですよ! 62万ですよ!
 いや、円高ウォン安で安く買えるってことは、韓国ではやはりウォンで定価な訳で、いったい韓国ではいくらなんだろう?
 弟B君は、地下鉄1回3,500ウォンで絶叫してる。
 韓国の電車や食料品やそのほかの生活必需品は、日本に比べるともっと安いってことなんだろうか。じゃぁ、逆に、お給料は? 社会保障費は?
 ふと考え込んでしまった。

 B:『生きていけない! 高すぎる! 日本にいる間に何回驚かなきゃならないんだろう!』
 Y:「はいは〜い〜gawk」 
 (↑すでにあまり聞いていないわたしsweat02

 B:「なにしろ、3,000円しか持ってない」
 はぁ?
 3,000円で、どうやってトーキョーで夜遊びするんだろ?
 まったく。
 Y:「仕方ない、ipod touch代は明日、即、日本円キャッシュで払ってあげよう。軍資金にしたまえ」
 B:「そうか! それは助かる、両替しなくていいな」
 Y:「その代わり、負けたまえ」
 B:「何を言う! 代わりに、本場のカクテギとキムチで手を打て。お姉さん好きだろ、カクテギ」
 むむむ。
 Y:「よし、成立」
 …宿泊費はもちろんロハである。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 
 ふぅ。
 この弟としゃべると、引きずられて言葉がヘンになるcoldsweats01
 姉と弟の会話じゃないなぁ〜typhoon 楽しいんだけどね。
 そんな弟B君との?ヶ月ぶりの再会は、明日。けっこう楽しみではあるnote

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