わき水を汲みに
6年前に結婚して群馬に引っ越してきて以来、水道の水は飲まない。料理にも使わない。
結婚前に名古屋に住んでいたときはマンションの水は全く問題なく、ごく普通に水道からコップに水を汲んで飲んでいた。今でも実家に帰ったときは水道水を飲むけど、違和感は感じない。名古屋の水、つまり木曽川の水はおいしいのだ。
それに比べると、今の住まいでは水回りがすぐに水道水が乾いたあとが残って真っ白になる。それだけ『何か』が混じっているのだろう。カルシウム分が強いのかもしれないし、消毒殺菌の成分なのかもしれないし…
夫は
「今日は水道の水が臭いね。腐ったようなニオイがする」
と時々いう。
ひょっとしたら、団地の中の水道タンクや水道管の中が汚れているのかもしれない。
ちょっと口に入れる水としては、イヤだな…と思う。
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今日はペットボトルをたくさん車に積んで、山の水を汲みに行ってきた。
桐生の松田湖の近くにある有名な水場だそうで、うちからは車で25分くらい。15kmあるんだけど、信号がほとんどない道なので、距離の割に近いの。
朝、夫のtetsuさんを送り出してから車に空のペットボトルを積み込み、8時20分に出発。着いたのは8時45分頃。
平日の朝なので誰もいないだろうと思っていたのに、先客。近くに住んでいるという年配のおばさまと、あとからお嫁さんが来てふたりで汲んでいた。たまにすごく混んで車が行列をつくるそうで、その時はなんと3時間も待ったんだって!
順番を待っている間、わたしはゴミ拾い。
初めて来たのは10月の初めだったんだけど、そのとき、周りにゴミがたくさん落ちているのにびっくりした。それで、次に来る時には水を分けてもらう代わりにゴミを拾って帰ろう…と決め、今日はビニール袋とゴミばさみを持参してきたの。ペットボトル、コンビニ弁当の容器、空き缶のほかに、長靴やライター、爪切りまで落ちていた。持ってきた袋はすぐにいっぱいになってしまった。
水汲みに来て代わりにゴミを捨てて行くのだとしたら、それはとても残念なことだ。こうしてわき水をもらいにきていると、水がとてもありがたい自然の恵みだという気持ちになる。山を汚さないことが大切だと、しみじみと思うの。
パイプとホースでつくられた水場の少し上で水が湧き、この石垣の中を通ってろ過されるのだそうだ。だから、目を凝らしてじーっとみても、ペットボトルの中の水は透明で砂や枯れ葉の細かいような不純物は見当たらない。
杉の木には、柔らかいこけがびっしり生えていた。
『清流の水にしたりて御仏の今ここぞ知る和の誓いなり』とかかれたお地蔵さまが立っている。
おばさまとお嫁さんとおしゃべりをしながら待っている間に、また一組年配のご夫婦が到着した。
「ひとりできたの?」
とだんなさんが訊ねたので、
「はい」
と答えたら、恰幅のいいそのだんなさんは
「ひとりで来ると、襲われちゃうぞ!」
と言った。朝で明るいし、わりと有名な水場で車も時々通るから危険はないだろうと思っていたんだけど、そう言われるとちょっと不安にもなる。
「襲われたら、おじさんに守ってもらうから大丈夫」
と言ったら、だんなさんは笑った。
そのうちわたしの番がきたので、だんなさんの誘導で車を近くに移動して、ペットボトルに水をくみ始めた。
「東京の方からも来るよ。病気のおばあさんにここの水を飲ませたら、病気が治ったって」
「うちは大泉から来た。ここまで45分くらいかかる」
なんておしゃべりしながら、ご夫婦で手伝って下さった。奥さんはペットボトルのふたを開けて並べて下さり、だんなさんは6本入りの箱をわたしの車に積んで下さった。
汲み終わったわたしがお手伝いしようとしたら、
「ふたりだからすぐすぐ。早くお帰り」
と手を振って見送って下さった。
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帰り道は、途中であちこち写真を撮った。
稲刈りが終わった田んぼでは、はさ掛けしてあるところが多い。畑のマルチにでも使うのかな。
刈られた稲の株もとから新しい緑の葉が伸びているのを見ると、実ったあとでも茎や葉が茶色くなっても、まだそこに生命力があるんだなぁ…と、強さを感じる。
大根をたくさん干してある畑もあった。
たくあんかな? ぬか漬けかな? それとも切り干しにするのかな?
手作り漬け物として出荷するのか、ひと冬みんなの分なのか。腰の曲がったおばあちゃんが、かっぽう着姿で畑の手入れをしていた。
近くで『売地』という看板が立っていた。広くて道路からは少し高いところにあって、山に近すぎず、遠すぎず。思わず買っちゃおうかな…なんて考えてしまう。
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水場には、待ち時間を合わせて1時間くらいいたのかな?
帰り道の途中で、地区の行政センターにリサイクルの紙や段ボールを出しに寄ってから帰ったら、ちょうど10時だった。
汲んできた水、2L6本入りの箱を部屋や物置に運んだ。(1箱12kg! こんなときは1階で助かった…と思う)
9箱と2本、しめて112L。これだけあれば、惜しむことなくお茶やお料理にたっぷり使える。1ヵ月半くらいもつかな。
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