冒険の仕方
この3日間、本を読んでいた。
8月の終わりにインターネット予約した本が、ようやく図書館から『予約された資料の準備ができました』とメールが来たので、借りに行ったのだ。
わたしは本を読むのは速いタイプの人間です。
1冊せいぜい2時間くらい。
ちゃんと読んではいないのかも。
どんどん目で追って、最後のページを閉じて、そして、醒めて、ふぅ、とする。
暗闇で手品かサーカスを見ていたような、夢から醒めて本を閉じるのです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ただ。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』
ハリー・ポッターの最後の2冊には、手こずった。
カタカナのたくさんの人の名前が出てくるから、その度に思い出すのに時間がかかった。
『ピーター・ペティグリュー?』
誰だ?
分かりにくかった。突然知らない人が現れたみたい。しかも、その『ピーター』は、すぐ次の行で『ワームテール』という名前で語られていたので、また混乱した。
『ワームテール? って、誰だったっけ?』
こんなに読みにくい物語は、今までなかった。
と悩みながら、考えた。
時々ページを戻しながら、額をこすりながら、なんとかハリー・ポッターの冒険を読み終えた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
…すっきりしない。
ものすごい、想像を超えた魔法がぶつかり合う戦いが次から次へと展開された。火花が散るその戦いは空想できた。
その光景は飛んで消えて行くように進んだ。
次から次へとページをめくった。
本を読み終えた。物語の結末は理解した。
物語は終わった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
そして、ふと思った。
「今まで、どうやって物語を読んで来たんだっけ…?」
子どもの頃何度も図書館で借りた『バーバパパ』。物語と絵がつながる。
やがて、絵のない本を読むようになった。『てまひま船長』とか、『ウルゴン』のシリーズが好きだった。大好きだったのは、『大どろぼうホッツェンプロッツ』と、『エルマーとりゅう』。
小学校の図書室の『アルセーヌ・ルパン』を制覇するのも、すぐだった。江戸川乱歩と怪人二十面相は残酷で嫌いだった。
あの頃、活字だけの本を読んで、どんなにわたしはわくわくと冒険を重ねたんだろう?
『ウルゴン』は架空で、『エルマー』は外国のひとが書いたお話だった。
活字を目で追いながら、心の冒険の仕方は変わってしまったように思えた。
ハリー・ポッターの最後の話を、次々と進んだ。
その途中、わたしは何度も立ち止まった。
最後まで読んだ。
でも。わたし自身の物語への冒険は、中途半端だったように思えた。
…また、しばらくしたら借りて読んでみよう。
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